大学祭の模擬店でデザインの力を感じた話
こんばんは、まりまりです。
つい先週の土日は大学祭でした。
私は毎年、生協学生委員会の同期のメンバーと模擬店を出してます。
今年は「りんごアメ」と「いもタルト」を提供しました!(ふしぎなくみあわせ)
去年はアップルパイで、一昨年はおにぎりとぜんざいだった。懐かしい。
模擬店にも、デザイン思考
ちなみに私が「デザイナーになるぞ!」と決意したのが今年の夏なので、今回はデザインの勉強を始めてから初めての模擬店。
まさか普段の勉強が大学祭の模擬店に活きてくるとは最初は思いもしなかったのですが、看板作ってるときに去年までとは比較にならないくらい迷いがなかったので、「これ今年はなんか楽しいぞ??」とは思ってました。
去年までの自分なら、「ピース12甘味処」という店名をでかでかと書いていただろう・・
ちなみに、生協学生委員会の同期だけで模擬店を出すようになったのは、引退した3年生の頃からです。
で、そこから数えるともう3年目になるのですが、過去2年は私が模擬店隊長やってました(委員長だったのもあって)
ただわりと今年は余裕がなかったのもあって、「やってもいいよ」と言ってくれたほかのメンバーに模擬店隊長をお任せ。私はほとんど関わっておらず、前日の看板作りから参戦しました。
そんなこんなで、実際どんなサイズ感なのかとかどんな味なのかとか、ほぼ知らずに私は看板作ってました。
大学祭、1日目
そして1日目を迎えてみるとこんな感じで商品が並んでました。
まずりんごアメは2本で1セットでした。1セットで120円。(ディスプレイ、キタナイごめんなさい)
でも、売り文句は「りんごアメ120円です〜」だし、看板にもそうとしか書いてませんでした。
いもタルトは入れる皿が大学祭側の都合で指定されてて、このサイズしかありませんでした。軽く6個並べられるこのミニサイズ感。で、「1個」120円。
つまり大きなお皿にぽつんと1つで、120円という悲しみを背負うわけですね。
そんな1日目に何が起こったかを挙げます。
①「あの店はちっさいタルトを120円で売ってくる・・ぼったくりだ・・」との悪評を聞く
②りんごアメを買ったお客さんがカップを受け取って「あれ?2本あるの?」と驚く
私は、これらはデザインの問題だと考えました。
1日目営業終了、振り返り会議
1日目が終わって、みんなで次の日はもっと売れ行きをよくするために振り返り。
最初は模擬店隊長と会計の子中心に、「明日はいくらで売るか」の作戦会議。
120円は高すぎるのでどちらも100円にしよう、周りが値下げし始めたらここまで下げよう・・などと話していました。ここまではいつも通りです。
しかし、
①「あの店はちっさいタルトを120円で売ってくる・・ぼったくりだ・・」との悪評をちょっと聞く
②りんごアメを買ったお客さんがカップを受け取って「あれ?2本あるの?」と驚く
この2つの問題はクリティカルなので、これを解決させねば! と思いました。
①「小さいタルトが大きなお皿に1個だと、がっかりさせちゃう」問題
①「あの店はちっさいタルトを120円で売ってくる・・ぼったくりだ・・」との悪評をちょっと聞く
この問題は、「買えば買うほど安くなる」まとめ買いを促進することで解決しました。そうすれば利益率もあまり下げずに済むし、在庫も捌けやすくなります。
模擬店で商品を買う時、大事なのは手にとった時の感覚だと考えました。
お皿なしでつまんでっちゃえるサイズのタルトを100円で買うより、250円で3つ乗ってるほうが、もらったときに「重さ」みたいなものがあって少しは落ち着く。
会議の場では「みんながお客さんだったとしたら、タルトが何個乗っていれば、お皿の空きスペースがさみしくない?買って満足?」と問いました。
②「りんごアメの値段に対する本数が伝わっていない」問題
②りんごアメを買ったお客さんがカップを受け取って「あれ?2本あるの?」と驚く
これは、思い切って看板を作り変えることで解決しました。
ここからがデザイナーの仕事だ!と、必要だと思う看板のラフ絵を4つ書きました。いもタルトのまとめ買いプランもできたので、おしながきもやり直しです。
A.おしながき
B.りんごアメは2本で100円だよ!
C.いもタルトは買えば買うほどお得だよ!
D.セット買いは魅力的だよ!
この4つのラフ絵を仲間に見せて、役割を振って手伝ってもらいました。
今回はいろいろな売り方があったので、「どの売り方を一番オススメしたいの?」と聞いてみました。すると、「セットが一番いい」という意見がでたので、
D.セット買いは魅力的だよ!
この看板も作ることにしました。
いざ、看板を作成
A.おしながき
これは私が作りました。
1日目の看板には、セットはだいたい単品メニューの下に表示されていたので、口頭で説明されて買う人以外はなかなか買ってくれていなかったように感じました。
そこで、一番上にセットのメニューを持ってきました。
「りんごアメ2本といもタルト1個で100円」よりも、「2本と1個で100円」のほうがシンプルだし、セットメニューの名前も「りんごアメといもタルトのセット」と言いやすい感じにできるので、ここの文言はこだわりました。SET!と斜めにしたり。
また、実際こちらの利益率が一番高くなるいもタルト3個セットには「おすすめ」マークを付けました。
一番お客さんにとって必要な値段の情報は全部オレンジ色にして、迷わず知りたい情報が知れるようにしました。
で、ここからは3人の仲間たちに手伝ってもらったのですが、ここで非デザイナーたちのセンスを感じました・・!
B.りんごアメは2本で100円だよ!
ワンコインで2本もついてくる!グッとお得感が増しました。
100円玉の絵で値段を表現することで、こんなに印象が変わるんですね。
C.いもタルトは買えば買うほどお得だよ!
上から下にかけてどんどん太くなっていく矢印のアイデアは、私も彼からパクリましたw一目で、買えば買うほどお得になっていくのがわかります。
また、「キャンペーン」という文言も、お客さんの心をつかみます!
D.セット買いは魅力的だよ!
とにかく絵が可愛いですし、メッセージもカラフルで入ってきますね。
セットでシェアすると楽しそうだ!というのが伝わってきます。
この子はもともと絵が上手だとは思っていたのですが、聞くと「イラストを検索して、一生懸命かいた!」とのことなので、伝わるように絵を丁寧に書く大切さを感じました・・!
大学祭、2日目・・・成果は?
このように、戦略を変え、デザインを変えることで、 どう変わったかみてみましょう。
おお、なんとなく、2日目のほうが増えているぞ・・・!!!
最後の1時間くらいはもう売り切りで半額とかにしちゃうので当然売れるのですが、それにしても売れ行きはのびたと言っていいでしょう。
セット推しの効果
- 知り合いにはとりあえず「セットがいいよ!セットでね〜20円引きなんだよ〜」と言いやすくなった
- 向かいの模擬店のヨーヨー釣りに通っていたらお姉さんたちに顔を覚えられ、明らかにセットを推してるので「セット2つください」と買いにきてくれた←ヨーヨー効果かもしれない
「りんごアメは2本で100円でーす」の効果
- ちびっこカップル来店。男の子が100円出して買って、女の子に1本あげてた・・!←どこで覚えたんだ
- 親子連れだと、お母さんが「あーだったら私も1本もらえるね」とちょっと喜んでくれた
- 「ってことは1本50円?1本でもいい?」と提案してくれるお客さんが増えた。いいですよ。
「いもタルト買えば買うほどお得キャンペーン」の効果
- ほとんどの人が2個以上で買ってくれた
- 3つのところに「おすすめ」マークがあったので、まとめて買う人は迷わず3つを選んでくれた
- 「1つで」と頼まれていたお客さんが、看板をじっと見て後から「やっぱり3つ!」と言われるケースもあった。もちろんいいですよ。
- 10個で600円は破格ですが、ネタとしてちょうどよくて、漢気じゃんけんが発生した。これで私が計20個後輩におごりましたがwww
なにはともあれ、そんなかんじで大成功でした。
わーい!打ち上げが楽しみだ〜。
以上、大学祭の模擬店、という思わぬところでデザインの力を感じた話でした。
生協学生委員の後輩たちは看板やPOPなど作ること多いと思うので、ぜひ参考にしてみてくださいね〜。絵がうまくなくても大丈夫なのだよ〜!
やっぱり、デザインはたのしい!まりまりでした!